洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
「魔力が少なく蔑まれていた者。身分の低い者。あの方は気づいてらっしゃいませんがわたくしたちを救って下さったのです」

――どうか、とセバスは深く頭を下げた。
セバスからすればまだ年若い若僧でしかないライルに。
身分も、ライルはけして高いとはいえない。
魔力はそれなり以上にあるし、研究者としては成功している方ではあるが、血筋がない。

それでもセバスは深く深く頭を下げた。

「ユナ様をよろしくお願いします。ユナ様はよく言えば天真爛漫な方です。ですがそれゆえに危うい。
いつか、何かがある。そんなこと気がならないのです。どうか、どうか、ユナ様を助けて差し上げて下さい」

何かがある、ではなく何かをしでかすの間違いだろうとは思ったが、そこに突っ込むのはやめておいた。代わりに「なんで俺に?」と聞いた。

なんとなく答えには気づいていたが。

「……あなたはわたくしたちと同じだと思いましたので。他のこの国の人間とは違う、方だと。それに……」 
「あー、いい、いい。それ以上言わなくて」
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