洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
小話 とある魔族のお話 ③

ユナの部屋は以前通された時とえらく変わっていた。そういえば模様替えをするとか張り切っていた気がする。

「……かんっぜんに『てれび』に影響されてるな、アイツ」

 畳に箪笥にちゃぶ台。
 ご丁寧に床の間まで作って--。

 掛けられた掛け軸からはそっと視線を外した。

--恥ずかしい奴。

 だが、こんな掛け軸を製作してしまうほど魔王に心酔していたはずのユナが消えた。

 おそらくきっかけは、

「『てれび』か」

試作品の一つはユナが持ち帰っていた。
だがもう一つはライル自身の『空間収納魔法』にしまってある。
ユナはまったく気づいていなかったが、アレはこの国ではとんでもなく危険な代物だ。
間違っても他の連中--特に魔王の側近には見せられない。

でなくても自分とユナの研究は他の研究者に狙われやすい。
持ち歩くのが一番だ。
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