洗脳されていたことに気付いたので逃げ出してスローライフすることにします。-元魔王四天王の村娘ライフ-
予想していたことだが、あまりに考えなしな消え方に頭痛がした。

使用人たちがセバスを筆頭にユナ大事の面々だったからこそこれまで面に出なかったが、そうでなければとっくに側近たちによってこの部屋は散々家捜しされ、追っ手が向けられていただろう。

だがこれでより確信できた。

ユナは逃げたのだ。
この国から、というか魔王の洗脳から。

このところ連日ユナが見ている『バラエティー番組』なるもので洗脳の『ニュース』を流していた。
呑気な顔で昼飯をたべなから見入るユナの様子に「なんでこれ見てて自分の現状に気づかないんだか」と呆れていたが、どうやら気づいたらしい。

それで即座に逃亡するあたりがユナらしいといえばらしいが。

部屋の中に『てれび』--魔法具は見当たらない。
ユナが持っていったのだろう。

ライルはユナが手紙を置いていたというテーブルに歩み寄り、膝を曲げて絨毯に指先を伸ばした。

ユナの魔力は膨大だ。
だからこそ、ユナの魔法の痕跡は辿りやすい。
他の者ならすぐに消えるようなものも、残滓としてしっかりと残るからだ。
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