チャラ王子に捕まりました。
バッチリとあってしまった視線にドキドキしながら胸の前で手をにぎりしめる。
そしてどうかガン見してたことがバレてませんようにと祈っていると…
「きゃー」と突然教室が騒がしくなったのと同時に頭上から優しい声が聞こえた。
「ひーなちゃん」
その優しい声に導かれるように、反射的に顔をあげる。
「…晴琉くん」
消えそうなくらい小さな声で目の前の人物の名前を呼ぶ。
見てたのバレてたかな?
バレてないかな?
なんてドキドキしながら晴琉くんの次の言葉を待っていると、今まで爽やかな笑顔を見せていた彼が突然顔を歪ませた。
「いて…っ?!」
「こらー!話の途中で勝手にどこかいくな!」
「もう晴琉ってば、いつもは他クラス入るのは勇気いるとか訳分からない事言ってるくせに突然教室入るもんだからどうしたのかと思ったじゃん」