君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
そして真ん前には、笑っている優希がいた。

「優希…ッ!」

私は優希に抱きついた。

「僕がいなくて寂しいだろうと思って会いにきちゃった」

「優希ッ!優希のバカッ!ずっと寂しかったんだからね!」

優希のいない世界は、なんの意味も持たないんだ。

優希がいないと、私が生きている理由がなくなる。

「ごめんごめん」

そう言って泣いている私を泣き止むまで、子供をあやすかのように背中をさすってくれた。
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