君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
私が泣き終わってきた頃、優希が口を開いた。

「僕ね、生まれ変わるんだって。この世界に、美桜と同じ年の少年に。病気も患ってなくて、元気一杯の男になるんだ」

「また、会えるの…?」

「わかんない。記憶がないんだってさ。“神崎優希”の頃のことは何一つね」

「そんな……」

そんなの、ひどい…。

「そのことで、僕、美桜にお願いがあってきたんだ」

「なあに…?」

「この世界で、僕を見つけて欲しい」
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