君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
その日をきっかけに、私は今まで以上に勉強した。

学年では毎回一位をとって、運動も頑張って。

優希にあっても恥ずかしくないように。

高校を卒業して、大学もトップで入学した。

大学は自分の家から遠く、電車に乗って行く。

ある日、それは突然だった。

いつも取りに改札を出て、電車に乗るとき、何かに引き寄せられるように、横を見た。

電車が入ってくる。

その風が自分の髪をさらっていく。

抑えることも忘れて、ただただある男の子を見た。

…目が、離せなかった。

(やっと見つけた)

そう思って私は駆け出した。

その人の服を掴んで、話しかける。

「あの……」

君が好きだと言った、笑顔をそえて。
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