君が笑ってくれるなら、それでいい。〜君のいない世界〜
優希は事件について細かく話してくれた。

聞いたのを簡単にまとめると、

私が記憶を失った後にすぐ優希が来てくれて、警察も呼んでくれていた。駆けつけた警察官によって犯人は逮捕されたらしい。

「それで、その犯人なんだけど…」

優希はとても言いずらそうにしていた。

「わかってる。…お父さんだよね。離婚した」

そう、私の父親。

私はあいつが大嫌いだった。

自分の機嫌が悪くなると人に当たるし、私たちに暴力もふった。

最っ低な父親だった。
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