俺だけ見てろよ~御曹司といきなり新婚生活!?~
「涼しい顔して仕事を簡単にこなしているように見えるけど、実はわりとアタフタしてる。いつもばっちり書類が出来上がっているのは、家に持ち帰って頑張ってるから」
えっ、知ってたってそっち? でも、なんで知ってるの?
「わ、渡会さん……。いらっしゃったんですね」
なんと言ったらいいかわからず、当たり障りのないことを口にした。
「集中してたから、邪魔しちゃ悪いと思って息をひそめてた」
「息をひそめるって……」
堂々としててよ。おかげで恥ずかしい姿を見られたじゃない。
「計算機はしまって。エクセルのほうが早いから」
「えっ……」
渡会さんはうしろに立ち、私の背中越しに手を伸ばしてマウスを操作し始める。
しかも、左手を私の肩に置くので、途端に鼓動が勢いを増し始めた。
「まずはここをクリックして」
どうやらやり方を教えてくれるらしい。
だけど甘い声で、しかも耳元で話されるとドキドキしすぎて息が止まりそう。