俺だけ見てろよ~御曹司といきなり新婚生活!?~
「これは……」
次に肩に置いていた左手もキーボードに伸ばし、まるで私をうしろから抱きしめるような姿勢で入力を始めた。
こんなふうに男の人に密着されたことがなくて、緊張のあまり卒倒しそうだ。
「これでよし。ここにその数字を入れて」
そう指示されたのにとっさに反応できない。
「どうした? あれ、耳が真っ赤。もしかして、ドキドキしてた?」
「ち、ちち違い――」
「あはは、高遠ってかわいい」
思いきり噛みまくり、まともに話せない私にとどめのひと言。
今、『かわいい』って言った?
「このギャップがたまんないよね。どんな仕事でもこなしますみたいな顔して、焦る姿すら誰にも見せない。それなのにエクセル苦手で計算機出すし」
クスクス笑われ、恥ずかしくて顔を伏せる。
「おまけに男もよりどりみどりですって感じなのに、実は俺にちょっと触れられるだけで耳を真っ赤にするくらいウブで」
それ以上は言わないで!
もう消えたい。
完全に素がバレた。