俺だけ見てろよ~御曹司といきなり新婚生活!?~

酔いが回っているせいで、ちょっと舌足らずな言い方で運転手に住所を告げる。
 
すると渡会さんが私の顔を覗き込んできた。


「なぁ。俺がいないところで酔うなよ」
「ん?」


『俺がいないところ』って?

頭の回転が鈍っているのか、やっぱり言葉の意味が理解できない。

首を傾げると、渡会さんは私の肩を抱いて自分に寄りかからせた。


「ちょっ……」
「いいから」


距離が近すぎて、恥ずかしさに体がカーッと熱くなる。それでもなんだか心地よくて離れることができない。

緊張しつつも肩に頭をのせていると、彼は私の髪を優しく撫で始めた。


「高遠。お前、頑張りすぎ。自分のことで精一杯のくせに、他人の仕事まで引き受けて。雰囲気を悪くしたくないんだろうけど、ちゃんと断らないとダメだ」
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