柏木くんにはヒミツがある。


「違うのっ」



そうじゃないんだよ。

私に背を向けて、行ってしまおうとする柏木くんの腕を掴んだ。



「柏木くんを傷つけたの、謝るっ。ごめん!」

「みき、」

「私、柏木くんに言いたいことがあって、会いに来たの!」



違うの。

この前のこと、後悔してるわけじゃないの。
無かったことにしたいわけじゃないの。

ただ、



「ただ、柏木くんに、ちゃんと、自分の言葉で伝えたいことがあったの……」



ギュッと、彼の腕を掴む手に力を込めた。

心臓が、痛いぐらいにドキドキしている。


怖い。
柏木くんと、もう前みたいに話せなくなってしまったらって考えると、とても怖い。

怖い、けど……。

< 50 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop