柏木くんにはヒミツがある。
「違うのっ」
そうじゃないんだよ。
私に背を向けて、行ってしまおうとする柏木くんの腕を掴んだ。
「柏木くんを傷つけたの、謝るっ。ごめん!」
「みき、」
「私、柏木くんに言いたいことがあって、会いに来たの!」
違うの。
この前のこと、後悔してるわけじゃないの。
無かったことにしたいわけじゃないの。
ただ、
「ただ、柏木くんに、ちゃんと、自分の言葉で伝えたいことがあったの……」
ギュッと、彼の腕を掴む手に力を込めた。
心臓が、痛いぐらいにドキドキしている。
怖い。
柏木くんと、もう前みたいに話せなくなってしまったらって考えると、とても怖い。
怖い、けど……。