恋を忘れたバレンタイン
 俺の手は、彼女の感じる部分を探しだす。

胸に、吸い付けば彼女の甘い声が漏れる。


 目を瞑ったままの彼女に、俺だと分かって欲しい。



「目を開けて…… 俺を見て……」



 彼女は、目を閉じたまま首を横にふる。



 俺を見て欲しくて、俺に抱かれている事を分かって欲しくて、焦らすように敏感な部分に指をなでつける



「大丈夫…… お願いだ、目を開けて……」



 彼女は、ゆっくりと目を開けた。



「美優 俺を見て…… 俺を感じて……」


 俺の指が敏感な部分に触れ、彼女の体がのけ反った。


「美優……」



 俺を、ちゃんと感じて欲しい。

 俺を見ながら感じる彼女に、欲が増す……


「美優…… 俺の名前呼んで」


「信也……」


 彼女の声に、俺は狂いそうなくらい、全身に熱が走る。



「美優……」



 彼女の名を、何度も何度も呼んだ。

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