恋を忘れたバレンタイン
 ベッドの上の彼女の唇にキスを一つずつ落とす。

 俺にとって、大切な人だから……


 いつの間にか彼女の力は抜けていき、俺のキスに答えだした。

 俺はいいように理解し、彼女の部屋着の中へ手を入れた。


 彼女が、色っぽく反応し始めた。


 夢中で、彼女の部屋着を脱がせた。



 だが、彼女の体に目を向けようとした途端、彼女の手が俺のパジャマのボタンを外し出した。

 彼女の行動が俺には分からない……


 そして、俺の胸に彼女の手が触れると、ビクンと体が反応する。

 まだ、残る彼女の気高いプライドなのだと思うと壊したくてたまらない。


 俺は、彼女の両手を掴んだ。


 彼女の胸が俺の目に映った。


「綺麗だ……」

 思わず口からもれた、

 本当に綺麗だった。

 彼女は、目を瞑って首を大きく横に振った。


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