マジ恋相手は高校生


日曜 仕事帰りに
ゆり子たちと会うため
待ち合わせの場所へ向かった。


「何着ていけばいい?」


「ラフでいいんじゃない?
お見合いじゃないんだし」


「それなら通勤着でもオッケー?
終わったら速攻駆けつけるから」


「いいよ」


通勤着は少し失礼かな?と思って
ほんの少しだけお洒落をした。


あまりキメすぎて行くのも
やる気満々だと思われたらいけないから。


「萌香 こちらが田中さんよ」
と紹介をされたのは
銀行員だと言う田中啓介さん。


ゆり子の彼氏の先輩だと言う。


ゆり子たちには悪いけれど
第一印象は堅物そう。


あまり好きなタイプではない。


「うちの彼と違って
真面目な人だから 将来は安泰よ」


「こら!俺と比べるな
まぁ 先輩は少し真面目すぎるけどね」


2人で話が盛り上がっていて
私と田中さんは
まるで夫婦漫才かの様な2人を
笑いながら見ていた。


「あっ!気づけばあたしたちが
邪魔してない?
紹介したんだから帰ろ」


「おう!そうだな」


「じゃあ 後は田中さん
萌香をお願いしますね」


残された私たちは
何を話していいかわからず
しばらくは会話を探す状態。


その時点でこの人とは
【無いな】と思っていた。


先に話を出したのは私の方。


「銀行にお勤めってノルマとか
あるって聞いたんですけど
大変ですか?」なんて変な質問。


「新人の頃はね
辞めてやろうか!って思うことも
あったけど今は全然思わないよ」


「そうなんですね」


「あっ!小島さんはどこの銀行?」


「え?」


「積み立てとかしてる?」


「積み立ては 決まった額は
してないかな」


安月給だったから貯金なんて
微々たるものしか貯まってないのが現実。


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