【短編】小悪魔な年下に翻弄されてます…
腑に落ちない様子の私に
ユキくんが更に言葉を紡ぐ。
「僕は知ってます。部長になる前から
一番遅くまで残って皆の為に、
道具の手入れしてくれてた事。」
「…え?」
うそ……見られてた?
こっそりしてた
つもりだったのに。
「そんな時の先輩は、
女神さまみたいに
優しい顔してることも。」
なにそれ!!?
それこそ、王子のような
微笑みを私に向けるユキくん。
あぁあ…
私、顔赤くなってない?
不安になるくらい
心臓がドクドクうるさい。
私、照れてるの?
それとも
恥ずかしいだけ?
自分の感情が分からなくて
戸惑いを隠せなくなってくる。
それでも、彼の告白は続く。
真っ直ぐに私の瞳を見つめて
思いを伝えてくれるユキくん。
「それから字は嘘を付きません。
すごく綺麗で芯があって、
それでいて優しくて。本当に素敵です。」
字を褒めてもらえるのは
純粋に嬉しい。
それに私も……
「言ったことなかったけど
私もユキくんの字、好きよ。」
思わずそう言った。