というわけで、結婚してください!


 寂しいのか、と問われたせいか。

 本当にちょっぴり寂しくなってしまったではないですか。

 いや、ちょっぴりなんですけどね、と思いながら、助手席で、ぼんやり鈴は外を見た。

 関門橋を通り抜けたところで、
「鈴」
と尊が呼びかけてくる。

 はい? と振り返ると、
「ちょっと一回、高速降りるか。
 九州入ったし」
と尊は言い出した。

「え? はい」

 どうせ、目的地もないしな、と思ったとき、
「あっ」
と今度は尊が声を上げる。

「なっ、なんですかっ」
と訊くと、

「宝くじ買うの忘れたじゃないかっ」
と、さも、大事《おおごと》のように言う。

「当たる気満々ですね……」


 
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