というわけで、結婚してください!

 鈴、鈴、鈴って。

 もはや、誘拐犯ではないな。

 姫に仕える下僕か……?
と仕えている家の息子に対して失礼なことを思いながら、

「それはいいんですが。
 で、なんで、こんな屋敷の近くに居るんですか」
と文句を言うと、

「いや、灯台下暗しかと思って」
と尊は言う。

「暗くないです!
 さっさとどっか行ってください。

 俺は今日は疲れてるんで、このまま帰って寝たいんです。

 今から、貴方がたをとっ捕まえて尋問するとか勘弁ですから」

 ほら、しっし、と数志は尊を手で払う。

 征なら無言で睨みをきかせてくるところだが、尊は、
「大丈夫か?
 あとで怒られないか?」
といきなりこっちの心配をし始めた。
< 131 / 477 >

この作品をシェア

pagetop