というわけで、結婚してください!
もういいじゃないですか、と数志が苦笑いする。
「鈴さん、もうとっくに尊さんのものになってますってー」
征は寄ってきた鈴の父親を見ながら、言った。
「……いや。
例え、鈴がもう汚されていようと、清白《すずしろ》の名にかけて、鈴を連れ戻す。
こんな恥をかかされて、黙っていられるものか!
数《かず》!
対策本部を立てるぞっ」
えー? と眉をひそめた数志に征は言う。
「披露宴会場、借りてあるだろ。
あそこでいい。
幸い、今日明日と、俺は久しぶりの休みをとってるしな。
ゆっくり腰を据えて、奴らを追い詰められる……」
にやりと笑った征の冷徹な表情に、ひい、と鈴の父は、ぽすを抱いて、縮み上がっていた。
尊、鈴っ、覚えてろよ!
と征は、鈴が聞いていたら、
ええっ? 私もっ?
と叫び出しそうなことを思いながら、鈴が抜け殻のように置いていったウエディングドレスを握りしめていた。