というわけで、結婚してください!
「あ、この中にアルバムとかないんですか?」
と鈴が言うと、尊は手近な段ボールを開け、ゴソゴソやり始めた。

 車の準備に時間がかかるので、少々お待ちくださいと言われたのだが。

 もう整備は済ませてある気がしていた。

 この家の執事だ。

 待ってる間、お茶でもとか言わないのもおかしい。

 旅立つ前に、尊に、生家をゆっくり見てもらおうという配慮のような気がしていた。

「おっ、高校の卒業アルバムならあるぞ」
と言って、尊がアルバムを取り出し、めくってくれる。

 写真が苦手なのか、ちょっと仏頂面だ。

 それもまた、尊らしい、と笑いながら、鈴は言った。

「あんまり変わってないですね。
 これ、何年生ですか」

「……今、卒業アルバムだと言わなかったか」
と尊が言ったとき、下から呼ばれた。



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