というわけで、結婚してください!
「私っ、ほとんど会わないまま、征さんと結婚することになってっ。

 もうそのまま、私の人生は決まったと思って。

 こんな風に、好きな人から、プロポーズされる未来なんて、もう私にはないんだと思って、諦めてましたっ。

 ……なんでしょう。

 私も、上手く言えませんけど。

 でもあの、その……」
と自分の気持ちを表す、いい言葉を思いつかずに困った鈴は、とりあえず、気持ちを込めて、尊の目を見つめて言ってみた。

「――というわけで、結婚してくださいっ」

「……なにが、というわけでだ」
と苦笑した尊だったが、そのまま、鈴に口づけてくる。

 わー……と鈴は思っていた。

 これがキスというものかと。

 今まで誰とも付き合ったこともないし。

 式でも、誓いのキスの前に、尊に連れ出されたので、これが鈴のファーストキスだった。

 だが、尊は、
「……するんじゃなかったな」
と言い出す。
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