というわけで、結婚してください!
「お父さんっ」
と鈴が尊の後ろから言った。

「わ、私は、人を突き飛ばして前に出ない尊さんが好きですっ。

 尊さんがこの先、更に何処かに追いやられたり、落ちぶれたりしてもっ――」

 いや、そんなに落ちぶれる予定はない、という顔で尊は鈴を見ていたが。

 鈴は、自分の覚悟を尊に聞いてもらうためにも続けた。

「それでも、私は尊さんが好きですっ。

 一生、尊さんについていって、尊さんを支えますっ。

 お父さんっ」
と言ったとき、ぽすが父の肩から飛び降り、ちょろちょろっと走って鈴の許に来ようとした。

 鈴は父に近寄り、ぽすを抱き上げる。

「その言葉に嘘はないな、鈴」
と言った晴一郎は、

「私はお前の本気が知りたかったんだよ」
と言ってきた。
< 379 / 477 >

この作品をシェア

pagetop