というわけで、結婚してください!
「ああ、今、行ってきた。
 征の花嫁はびっくりするような美人だと聞いていたが、たいしたことなかったな」

 さっきの工場からスパナを持ってくればよかったな、と鈴がまだ雑然としているホール内を見回して、スパナを探していると、いきなり、尊が少し下がって立っていた鈴の肩を抱き、窪田の前に突き出した。

「でもまあ、俺の彼女の方が可愛いかな」

 すると、窪田は、
「ああ、やっと紹介してくださいましたね」
と笑う。

「微妙な問題ですので、いつ、訊いたもんかなあ、と思ってたんですよ。
 もしや、尊様もご結婚されるとか?」

 尊は特に否定はせずに、
「まだ内緒にしといてくれ。
 征が結婚したばかりだし」
と言った。

「ああ、俺が此処に居ることも内密にな」
と尊が付け加えると、

「承知しました」
とにんまり笑って、窪田は言う。




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