というわけで、結婚してください!
『いいから、先に寝ろ、おやすみ』
と打って、顔を上げたら、田上支社長が居た。

 トイレに行こうとして出てきたのか、こちらを見ている。

「お、お疲れ様です」

 このクソ忙しいのに、私用のメールかと文句を言われるかな、と思ったのだが、田上は尊の手許を見ながら、
「嫁さんか?
 新婚なんだったか?」
と訊いてくる。

「はい、一応」
と言いながら、なにかが気になった。

 だが、そのなにかがなんなのか、思い当たる前に、田上が言う。

「そりゃあ、知らない土地で、一人は可哀想だな」

「そうですね。
 でも、ぽ……

 ペットが居るんで、少しは気がまぎれるかな、とは思ってるんですが」

 そう言いながら、ぽす、ペットという感じではないなあ、と思っていた。

 本当に人間と変わらない家族の一員みたいだからだ。

 まあ、何処の家のペットもそうなのだろうが。
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