というわけで、結婚してください!

 子どもの頃、夢見ていたのとはまったく違う結婚式。

 いや、見てくれだけは、夢見ていた以上だったが。

 美しい夫に、美しい教会。

 素敵なドレス。

 だけど、なにかが釈然としないまま、誰か此処から連れ去ってくれないかなーと式の間、ずっと思っていた。

 まあ、きっと、式のとき、こんなことを考える人はたくさん居て、それでもみんな上手く夫婦生活をやっていって。

 いずれは、こんな結婚式だったこともいい思い出になるんだろう。

 そう思っていたのだが。

 そこに現れるはずのない人が現れた。

 助け出してくれる王子様が。

 いや、まったく知らない人だったんだが……。

 つい、引きずられるまま、此処まで来てしまった。

 まあ、新郎と同じ顔だった時点で、ついて来るべきではなかったのだろうが。
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