絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
「あぁ。まずひとつ目。俺たち、二ヵ月後には結納を交わすんだ。いい加減、名前で呼んでくれないか?」

名前でって……。

「そんな、急には無理ですよ!」

上杉さんですっかり慣れちゃっているのに、今さらすぐに下の名前でなんて呼べない。
首をブンブン振る私に、彼は不満げな顔。

「無理じゃないだろ? それに近い将来、麻衣子も上杉になるんだぞ? それなのにおかしいだろ? だからほら」

それはそう、だよね。夫婦になっても苗字で呼ぶなんておかしいもの。
呼ぶように促され、ドキドキしながら彼の名前を呼んだ。

「……岳人さん」

か細い声はしっかり彼の耳に届き、満足そうに笑うと「よくできました」と言いながらそっとキスを落とした。

「さて、ふたつ目」

キスの余韻でドキドキしている私を置いてけぼりにして話しを進めていく。

「そろそろ俺たちの関係を、会社で公表しないか?」

「それは……」

岳人さんのご意見はごもっともだ。結納して、正式に入籍となれば公表しないわけにはいかない。だけど……。

私の様子を窺う岳人さんに、自分の思いを伝えた。
< 264 / 272 >

この作品をシェア

pagetop