絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
そもそもなに? 御曹司なのに介護事業部の部長って。普通は会社の経営の方に回るものじゃないの?
いや、でもまだ本当に介護事業部の部長が上杉さんだって決まったわけじゃない。
もしかしたらただの噂で、本当は違うのかもしれないし! ――と、一縷の望みを抱いていたけれど……。
「初めまして、介護事業部の上杉です。よろしくお願いします」
同期たちがそれぞれ、自分の配属先の上司に連れられてホールを出て行く中、私と石上君の前に現れたのは、やはり上杉さんだった。
呆気にとられる私を見て、満足そうに彼は笑う。
「今年はふたりも新入社員がうちに配属されることになって嬉しいよ。これからみんなで切磋琢磨して頑張っていこう」
私のお願い通り、初対面のフリをしてくれているのは感謝するけど、絶対上杉さんは知っていましたよね? 私が自分の部下になることを。
「よろしくお願いします! 精いっぱい頑張ります!!」
やる気いっぱいの石上君は、上杉さんに向かって大きく頭を下げた。これは私も続いた方が自然だよね?
慌てて「よろしくお願いします」と言いながら頭を下げ、彼と共に顔を上げる。
すると上杉さんは顔に喜色を浮かべた。
いや、でもまだ本当に介護事業部の部長が上杉さんだって決まったわけじゃない。
もしかしたらただの噂で、本当は違うのかもしれないし! ――と、一縷の望みを抱いていたけれど……。
「初めまして、介護事業部の上杉です。よろしくお願いします」
同期たちがそれぞれ、自分の配属先の上司に連れられてホールを出て行く中、私と石上君の前に現れたのは、やはり上杉さんだった。
呆気にとられる私を見て、満足そうに彼は笑う。
「今年はふたりも新入社員がうちに配属されることになって嬉しいよ。これからみんなで切磋琢磨して頑張っていこう」
私のお願い通り、初対面のフリをしてくれているのは感謝するけど、絶対上杉さんは知っていましたよね? 私が自分の部下になることを。
「よろしくお願いします! 精いっぱい頑張ります!!」
やる気いっぱいの石上君は、上杉さんに向かって大きく頭を下げた。これは私も続いた方が自然だよね?
慌てて「よろしくお願いします」と言いながら頭を下げ、彼と共に顔を上げる。
すると上杉さんは顔に喜色を浮かべた。