イケメンエリート、はじめての純愛⁇


咲子には映司が怯える理由が分かる。


「映司さん、私の両親の事が怖いですよね?」


映司が肩をすくめて何も言わずに微笑む姿を見て、咲子はため息をついた。


「映司さん、覚悟をしてください。
私の両親は宇宙から降ってくる隕石よりも石頭です。

考え方が古過ぎて、鉄のハンマーを使っても割れる事はありません」


映司は咲子の純粋さにたまに圧倒される。
オカルトにしてもホラーにしても映像にフィルターがかかっているから楽しめるものを、咲子の表現には全てにおいてフィルターは存在しない。

愛情面に関してはそれが可愛くて愛しくてたまらないけれど、こういう状況になった時は、身内をも殺しかねない恐怖の大魔王に変身する。


「鉄のハンマーでも割れなかったら、俺はどう挑めばいい?」


咲子は何か考えるふりをして、でもすぐに首を横に振った。




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