イケメンエリート、はじめての純愛⁇
「挑むだけ無駄です」
映司は顔をしかめる。
でも、ここで、咲子の話だけの両親に負けるわけにはいかない。
「じゃ、そのご両親の石頭を柔らかくするアイテムを考えるか、それか、俺も隕石並みの石頭になるかどっちかだな」
咲子はクスッと笑った。
クリーム色のネグリジェにピンク色に染まった頬がよく映える。
「映司さんがもし隕石並みの石頭を持ったとしても、それはすぐに破壊されますよ。
だって、うちの父は、超合金のハンマーを持っていますから」
映司は中々笑えない。
でも、必死に笑顔を作った。かなりひきつっていると思うけれど…
「咲子ちゃん、そんなに俺を怖がらせないでよ…
俺から自信を取ってしまったら、何も残らないんだからさ」
咲子はまたクスッと笑った。
この天使のような笑顔と大魔王のような言動のギャップが、咲子の最高の魅力なのは分かっている。
「映司さんは、ただ私と結婚しますと報告するだけでいいんです。
その言葉だけで、私はあの家の鳥かごの中から出る事ができる」
「でも、それだけでご両親が納得してくれるのか?」
咲子の肩にかかる栗色の柔らかい髪がゆっくりと揺れた。
そんな咲子は、映司の手を取り小さく深呼吸をする。