イケメンエリート、はじめての純愛⁇


「私… あの… やっと…」


「やっと?」


咲子はそそくさと圭子の隣に座った。
咲子の大切な思い出を一緒に祝ってもらいたい。


「私、やっと、大人の仲間入りをしたんです。
映司さんと… あの、その…」


圭子はポカンと咲子を見ている。
圭子だって経験はあるはずでそんなに驚く事じゃないはずなのに、何だかこわばった表情が咲子のウキウキ感に水を差す。


「セックスを、したんです… 私…」


それでも伝えたかった。
こんな性格を皆は心配するけれど…

圭子はポカンが唖然となっている。
でも、その直後に大粒の涙がポロポロと溢れ出す。


「咲子様、映司さんと結婚されるんですか…?」


咲子は少女のような笑みを浮かべ、大きく頷いた。
両親の反対なんてもう咲子の頭の中にはない。
反対されるのなら、七条家とは縁を切るだけの話。

私は何があっても映司さんと別れない。
それは単純で簡単な事で、初めて自分に芽生えた誰にも譲れない強い想いだった。




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