イケメンエリート、はじめての純愛⁇


咲子が話し終わらない内に、映司は咲子の隣に倒れこんだ。
フカフカのベッドのシーツにまで、この異様な匂いが浸み込んでいる。


「咲子ちゃん……
その匂い、気に入ってないなら、今すぐキャンドルを消してほしい。
そうじゃなきゃ、俺、咲子ちゃんの大好きなこのベッドに吐いてしまうかも…」


咲子は真っ青になった。
真っ青になったのは、ベッドの心配をしたからじゃない。
大好きな映司がこんな風になるのを初めて見たからだ。
咲子は慌ててキャンドルを消しに行った。
そして、閉め切っていた窓を全開にして、映司にミネラルウォーターを渡す。


「映司さん、大丈夫?
顔色が真っ白ですけど、この匂いがダメだったかしら?」


起き上がって水を飲む映司の顔を覗き込んで、咲子はそう聞いた。
映司は疲れた顔で大きくため息をつく。
そして、少しずついつもの映司の表情に戻っていった。



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