イケメンエリート、はじめての純愛⁇
映司はざわつく心をひた隠しながら、細めた目で明智君を見た。
でも、その沈黙に耐えられずに自分の方から聞くなと言ったくせに、つい、明智君に話しかけてしまう。
「俺の顔に何か付いてるか?」
明智君は新米社員のように首をすくめた。
その仕草が何とも可愛らしい。
「映司さん、咲子さんはダメですよ。
ソフィアの忠告を忘れないでください。
咲子さんに手を出したらアウトです。
彼女は恐れ多い女性なので…
それは映司さんが一番よく分かってると思います」
映司は、正直、すっかり忘れていた。
彼女が皇太子お妃候補の一人だということを。
「それは下りる事もできるんだろ?」
「下りる??」
「その恐れ多い約束事からだよ。
ま、いいや。
どっちにしても、ソフィアにも会社にも、それに彼女にも迷惑をかけなければいいんだろ?
あ、それと、明智君、お願いがある。
そのお妃候補うんぬんとかを下りる際には、何が必要なのか調べておいてほしい」