好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜

「はい」

『…今、どこ?』

「地下鉄に乗ろうと向かってます」

『それに乗らないで、北口に出て来いよ』

今日の占いは1位だったのかな…

「はい、急いで行きます」

「待ってる」

通話を切って頬が盛大に緩んでいる。

待ってる…待ってるって言われたよ。

嬉しすぎて、駆け足で北口に向かった。

出てすぐにあるロータリー内の駐車場に一際目立つ見覚えのある高そうな車を見つけ、道路を渡って駆け寄り、運転席のドアをノックする。

通話中だった彼が、助手席に座るよう促すので、邪魔にならないように車に乗る。

「今日は無理だ」

聞こえてくる電話の相手は女性らしい。

チクッと胸が痛む。

「あぁ、埋め合わせは今度する」

私以外の人と会う話なんて聞きたくなかったな…

じゃあなっと言って電話を切った神崎さんが、私の頭を撫でて「悪い、気を使わせたな」と、苦笑した。

「いえ、それより、突然どうしたんですか?」

「お腹が空いたから、お前と飯を食おうと思って」

「待っててくれたんですか?」

「いや、電話して出なかったら、一人飯するつもりだった」

なーんだ。

でも、電話に気がついてよかった。

「で、どこいくつもだったんです?」
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