好きって言わせたい〜恋に臆病な彼が本気になったら、溺愛がとまりません〜

突き放したくせに、俺から逃げる愛梨を捕まえた時の安堵と、愛想を尽かされたかもという不安から、

『…なぁ、俺を好きって言えよ』

と、強がって彼女の唇を触るが、この唇から違う言葉が出てきたらどうしようかと、ドキドキしていた。

もう、好きじゃないと言われたら、きっと俺は、『好き』だと言うまで愛梨を部屋に閉じ込めて離せないだろう

「すき」

小さな声だったが、顔を赤らめた愛梨が可愛くて、唇を何度も啄み、浮かれていた。

こんな感情が俺にあるなんて…

愛梨だから、好きだと言われて嬉しくて浮かれたりするのだ。

他の誰かに言われても、持ち合わせなかった感情に、愛梨さえいてくれれば、他の女なんていらないと、全ての女をキレる冷淡さに、この感情は愛梨限定なのだと思い知る。

そうなると、もう、止められない。

『愛梨、俺のこと好き?』

『好き』

『好きなら、できるよね…』

抱きながら、乱れる愛梨を愛でて、何度も彼女が達しても、俺を刻み付け、何度も何度も、甘い毒という快感に落ちてもらう。

愛を知ってしまったら、俺は、とんでもなく束縛体質なのだと呆れながら、彼女を甘やかし囲い込んでいく。
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