恋愛零度。
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奏多との出会いは、3年前の秋だった。
「その頃俺は、いちばん病気が重かった時期で、短くても半年の入院が決まったばかりだった」
入院生活は退屈だった。とくにやりたいこともなく、親が持ってきてくれるあまり興味が湧かない本や雑誌をてきとうに眺める日々だった。
そんなとき、同じ病室の隣のベッドに、奏多がやってきた。
「年上だけど、奏多は全然そんな感じしなくて、すぐに仲良くなったよ」
くだらない話をしたり、ゲームをしたり、好きな女の子の話もした。
『えっ、たまにくるあの人、彼女じゃないの?』
『違うよ。あいつはカタブツだから、そういうの興味ないんじゃないかな』
『そうなのか』
『俺の好きな子は、妹のほう。蒼と同い年だよ』
『へええー』
初めて聞く話に、興味津々になった。