オトナの事情。






「俺、なんて言えば良いの?知りませんでした?」



報道が出れば、絶対に記者から質問攻めにされるだろう。



『…多分社長さんは、何も言わずに通せって言うよね。』




まあ、そうだろうな。

というか、こんなに複雑な事情、説明しようがないじゃないか。






でもね、とルナは続ける。




『ユキ君はきっと、自分が悪い、みたいなこと言っちゃうんでしょう?』





また俺の肩に頭を乗せて、そんなことを言うけど、




「えー…俺、そんなに良い人じゃないから、多分、普通に黙っちゃうよ。」



ルナは俺が、自分と同じくらい強くて優しい人間だと思っているらしい。



…俺は、ルナとは違う。



もし俺がルナと同じ運命にあったら…きっと、それはそれはこの世を憎むよ。そんなに気高く、凛としてられないよ。




弱くて、臆病で、君に、好きの2文字も言えない。


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