オトナの事情。
しばらく沈黙が続いてから、ルナは突然ガバッと起き上がる。
『よし!もう泣かない!』
両手で小さな顔をパシッと叩けば、いつも通りに笑った。
「…ルナは笑顔が一番似合うよ。」
『……それ、どこかで聞いたことあると思ったら、あのドラマのセリフじゃん。』
「え?そうだっけ?」
『そうだよー!うわ、キザな奴~』
「ちょ、茶化すなよ…ったく…」
そういえばそうだったかもしれない、と自分でも気付いてしまうと、余計に恥ずかしくなってくる。
はあ、とルナは息を吐く。
『…私が婚約したら、みんな、びっくりしちゃうね。』
俺は、そうだね、なんて応えた。
世間は俺たちの同棲報道を信じてるわけで、近しい人たちだって俺たちが結ばれると信じてる。
破局報道なく、いきなり違う男と婚約。しかも相手は…あの天王寺家の御子息。