オトナの事情。






BLUEの楽屋を出ようとした時、隼人さんに引き止められた。




「はい、これ」






手渡されたのは、




「お土産リスト、ってこれ…」



「あ、それで俺ら全員分やからな~」



悪びれもせず言うのは、健ちゃんだ。





「いいな~ハワイ。俺も行きて~!」




コンは泣き真似をしてみせる。





「あのねえ、遊びに行くわけじゃないからね?」



「なーに言ってんだよ!」



目の前の隼人さんに思いっきり叩かれた。



「お前な、ルナちゃんとウェディングの撮影で、しかもハワイって、それただのハネムーンじゃねーかよ!このヤロー!」



「せやで!俺らは日本で指咥えて待っとんねんで!ユキばっかり良い思いしおってなんやねん!」



皆口々に、そーだそーだと言う。





そしてトドメを刺すのは、いつだって悠二だ。



「おいユキ!本番は、絶対に呼べよな?」








俺はもう、苦笑するしかない。



< 138 / 184 >

この作品をシェア

pagetop