溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
優花の言葉を遮り、片瀬が信じられない言葉を吐く。
「優花に俺の言葉を信じてもらうには、もうこれしかないと思った」
〝これ〟とはなにか。優花にはなにがなんだかわからない。
今日はここで見合い相手と会うことになっている。当事者同士の簡単なものかもしれないが、片瀬ではない別の男性との待ち合わせなのだ。
「優花と今日ここで会う約束をしたのは俺なんだ」
「……片瀬くんと約束?」
優花の頭はますます混乱してくる。
「俺が、優花のご両親にお見合いを申し入れたんだ。俺の素性は明かさないようにお願いして」
思いも寄らないことを片瀬が言いだした。
見合いを持ちかけたのが片瀬だなんてことがあるだろうか。
だとすれば、どうしてそんなことを。片瀬は結婚の意思がないから、会社を大きくするという理由をもってしても政略結婚を拒んでいたのではないのか。