Crazy for you ~引きこもり姫と肉食シェフ~
「藤堂さんに、ここまでしていだたく理由が……」
「言ったでしょ、餌付けですよ。猫も一度ご飯を上げたくらいでは懐いてくれませんから」
「……私は猫ではありません」
それにもう、散々食べさせられている。
「太陽浴びて、タダ飯食べて。幸せでしょ?」
頬杖をついたまま微笑まれて、莉子は不機嫌になった。
「私は望んでいません」
「怒ってます?」
「怒ってます、なんで藤堂さんにそこまでされないといけないんですか?」
「気になるからです」
飾り気のない言葉に、莉子は一瞬何を言われたの判らなかった。
「──はい!?」
声を上げたのは、数秒経っていた。
「初めて会った時、生気の無い青白い顔をして目も虚ろで」
藤堂がニコニコしながら言う。
(ええ!? そんなにひどかった!?)
思うが藤堂は続ける。
「細い体からも、あーこの子はろくな物食べてないんだなと思って。俺も料理人ですからね、そんな事看過できないんですよ」
「……だったら、もう十分です……お蔭様で二キロも太りました」
「それはよかった。花村さんならあと二キロは重くて大丈夫です」
「勝手な……!」
「まあ太るだけでは不健康なので、少しは歩いたらいいんです、ここまで徒歩20分程でしょう? 往復40分、いい運動だと思いますよ?」
来るのにはタクシーを使ったとは、言えない。
「朝のレクチャーは終わりにしましょう。その代わり、毎日来てください、待っています」
最上の笑顔付きで言われた、何故だか莉子は断れない。
「──はい」
小さな声で答えていた。
「言ったでしょ、餌付けですよ。猫も一度ご飯を上げたくらいでは懐いてくれませんから」
「……私は猫ではありません」
それにもう、散々食べさせられている。
「太陽浴びて、タダ飯食べて。幸せでしょ?」
頬杖をついたまま微笑まれて、莉子は不機嫌になった。
「私は望んでいません」
「怒ってます?」
「怒ってます、なんで藤堂さんにそこまでされないといけないんですか?」
「気になるからです」
飾り気のない言葉に、莉子は一瞬何を言われたの判らなかった。
「──はい!?」
声を上げたのは、数秒経っていた。
「初めて会った時、生気の無い青白い顔をして目も虚ろで」
藤堂がニコニコしながら言う。
(ええ!? そんなにひどかった!?)
思うが藤堂は続ける。
「細い体からも、あーこの子はろくな物食べてないんだなと思って。俺も料理人ですからね、そんな事看過できないんですよ」
「……だったら、もう十分です……お蔭様で二キロも太りました」
「それはよかった。花村さんならあと二キロは重くて大丈夫です」
「勝手な……!」
「まあ太るだけでは不健康なので、少しは歩いたらいいんです、ここまで徒歩20分程でしょう? 往復40分、いい運動だと思いますよ?」
来るのにはタクシーを使ったとは、言えない。
「朝のレクチャーは終わりにしましょう。その代わり、毎日来てください、待っています」
最上の笑顔付きで言われた、何故だか莉子は断れない。
「──はい」
小さな声で答えていた。