Crazy for you ~引きこもり姫と肉食シェフ~
「──しかし、莉子ちゃん、なんかいい事あったのかね? えらい歌詞の言葉遣いも、曲調も今までの感じと違くないか?」
「そうねえ。でも変わらず家に閉じこもりみたいだし。さすがに数をこなして、いろいろ試してみたくなったんじゃないの?」
「それもそうか。ど定番がいいって場合と、変化があって、おいいじゃんって、場合とあるもんな、今回はなかなかいい感じだったな」
「でも、あんなあっかるい歌詞のバラードなんて。私のカラーじゃない」
「ふむ。でも、bangのバラード系は莉子ちゃんの名前は出してるし。今回も」
香子が発注したものでないものだったり、お眼鏡に叶わなかったものは、莉子の名前を冠している。
「bangで歌うならいいけど、今度提供するのに必要なのは、私の曲なの」
香子は橘を見据えたまま言った。
「デビュー曲に莉子の名前がついた曲は使わない、判った?」
言われて橘は素直に肩を竦めた。
「判ったよ、全く怖いお姉ちゃんだな、本当に君たちは姉妹なのか?」
橘が莉子に会ったことがあるのは、たった三回きりだ。おどおどしていて、知らない人間とは目も合わせられないような女性だった。まるで香子とは対照的な人だ。
「莉子の方がいいなら、どうぞ莉子に行ってください」
「おいおい、そんな事言ってな……」
「判ってるわよ。男は大抵莉子みたいなタイプが好きなのよ」
香子は吐き捨てるように言った。
「そうねえ。でも変わらず家に閉じこもりみたいだし。さすがに数をこなして、いろいろ試してみたくなったんじゃないの?」
「それもそうか。ど定番がいいって場合と、変化があって、おいいじゃんって、場合とあるもんな、今回はなかなかいい感じだったな」
「でも、あんなあっかるい歌詞のバラードなんて。私のカラーじゃない」
「ふむ。でも、bangのバラード系は莉子ちゃんの名前は出してるし。今回も」
香子が発注したものでないものだったり、お眼鏡に叶わなかったものは、莉子の名前を冠している。
「bangで歌うならいいけど、今度提供するのに必要なのは、私の曲なの」
香子は橘を見据えたまま言った。
「デビュー曲に莉子の名前がついた曲は使わない、判った?」
言われて橘は素直に肩を竦めた。
「判ったよ、全く怖いお姉ちゃんだな、本当に君たちは姉妹なのか?」
橘が莉子に会ったことがあるのは、たった三回きりだ。おどおどしていて、知らない人間とは目も合わせられないような女性だった。まるで香子とは対照的な人だ。
「莉子の方がいいなら、どうぞ莉子に行ってください」
「おいおい、そんな事言ってな……」
「判ってるわよ。男は大抵莉子みたいなタイプが好きなのよ」
香子は吐き捨てるように言った。