風が吹いたら
しかし懐かしく見ていられたのもここまでだった。

何故ならこの先の映像には、ほんの一部以外、 

僕の記憶にない恐ろしくて衝撃的なものばかりが

映し出されていたからだ。

この先の映像では僕は突然、頭を抱え込み 

苦しそうにうずくまっている姿が映っていた。・・・

ここまでは僕にも記憶がある。

ある日、僕は突然の頭痛と吐き気に襲われ、

遂に立っている事さえ出来なかったんだ・・・。

この時の事は今でもハッキリと覚えている。

あの経験した事のない痛みと、耐え難い吐き気・・・。

見るに堪えない思い出だ。

この記憶を最後に、僕はそのまま意識を失い 

病院に運ばれたものの

結局 息絶えて、僕は人生の幕を閉じたのだった。
< 6 / 111 >

この作品をシェア

pagetop