風が吹いたら
そして彼は、このカップルベンチをまじまじと

見つめた後、みーを見てニコッと笑いかけた。

みーは不思議そうな顔でキョトンとしている・・・。

そして手を繋いだままカップルベンチの前で 

彼はまるでエスコートするかのように

もう片方の手でベンチに座るよう「どうぞ」と促した。

みーが少しためらったので、彼は何も言わず 

みーの事を優しく抱きしめた。

みーは泣きそうになるのを必死でこらえ、ゆっくりと

ベンチに座りだした。

彼は何度も「大丈夫。」と言って みーの頭を撫でて

くれていた。




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