愛しいのは君だけ
「どうして?ヴィンセントは私の中でグランス以上の剣の腕前だと思うんだけど」
この間、剣を交えた時に思っただけなんだけどね。
私のグランスから習った二本の長剣での戦い方に対して、一本で勝ち取ったんだから。
だから、グランス以上の腕前はあるはず。
「あー、えっと姫様?一応言っておくけどな、専属騎士を申し込むってことは婚約を申し込むのと同じことだからな」
グランスはヴィンセントの顔を伺いつつ、苦笑した。
「……っな、」
「あら、いいんじゃないの。だって、シエラとヴィンスは相性良さそうだし」
「シャルル、君は一体何の話を……ッ」
「え、体の相性に決まってるじゃないの。ふふふっあれだけシエラの香りに敏感なんだから、相当良いんでしょうね」
「……ッ//////////」
シャルルの言葉に一瞬にして顔を赤らめたヴィンセントはいつもの堅苦しさがない。
私には一体何の話か理解できないけれど。
「その代わり、最中に酔い潰れないかが心配ね」
「シャルル、そろそろやめろ。ヴィンセントがかわいそうだ」
「……何の話?」