クラスメイトの告白。


私は腕時計をチラッと見る。


「あ、バスに乗り遅れちゃう! 急ごっ」


バス停の方角へ走りだすと、前にランニングをしているおじいさんがいた。


私はうしろからおじいさんと同じスピードで走りながら、おじいさんと数メートルの距離を保つ。


おじいさんを抜かそうかどうか考えながら走っていると、おじいさんが振り返ってチラッと私を見た。


ニコッと笑ったらヘンな子に思われたのか、おじいさんが突然走るスピードをあげたので、私は走るのをやめた。


「あ、怪しいものじゃないですっ」


大きな声で言ったけど、おじいさんには聞こえていないようだった。


腕時計を確認した私は、早歩きで近くのバス停に向かう。


すると、バスが走ってくるのが見えた。


間に合った、よかった。


このバスを逃したら遅刻するところだった。
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