クラスメイトの告白。


目の前に停車したバスのドアが開く。


「おはようございまーす」


「おはよう」


バスの運転手さんとあいさつをかわし、どこに座ろうかとバスの中を見まわす。


「あ、おはよう!」


バスの後方、窓際に座っていた赤西さんの姿を見つけた。


「隣に座ってもいい?」


「うん、いいよ」


「ありがとう」


私は赤西さんの隣に座り、ニコッと笑いかけた。


「汐野さんて、家この辺りなの? バス一緒になるの初めてだね」


「ううん、家はもっと学校の近くだよ。普段は歩きか自転車で通うことが多いかな。今日は、そこの神社に寄ってきたからバスで行こうと思って」


「朝から神社に?」


「うん、ちょっと願いごとをしに……」


「願いごと?」


「へへっ」
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