クラスメイトの告白。


「うまっ! このウィンナーも汐野の手作り?」


「…………」


「おーい、目開けたまま寝た?」


「あ……ううん。お母さんとふたりで作ったやつ」


「汐野のこと、これからウィンナー職人と呼ぶわ」


「ふふっ、なんでよ。たぶん伊原くんが想像しているよりは簡単に作れるよ」


「いや、すっげぇな。うますぎるわ」


驚いたのはきっと、男の子にこんなことをされたのが初めてだったから。


伊原くんには驚かされてばかり。


体育館裏に呼び出されたり、家に呼ばれたり、シャワー浴びたからって上半身裸で現れるし、学校では変装してるし、いきなり私のウィンナー食べるし……。


「よければ、またお弁当作るよ」


「いいの?」


「もちろんっ」


「ありがとな」
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