お兄ちゃん系男子は我慢の限界。




「で、どうなんだ進捗状況は」


そんなある日の休み時間、筒井がまるで上司が部下に聞くような口調で俺に話しかけてきた。


「まぁ悪くねぇよ?」



俺は最近の状況を筒井に伝える。


すると筒井はやれやれと肩を竦めた。



「朝も夜も付き纏ってるのか…ストーカーって警察に通報されないようにしろよ」


「大丈夫だよ。結構いい感じなんだぜ?なんか、夏海も俺にドキドキしてるって感じでさ?」


11年間一緒にいたのに、見たことのなかった夏海の顔を最近見れているようで、それが単純に物凄く嬉しい。



「まぁ見てろって、筒井!」



グッと親指を立ててみせると、筒井は「調子にのるなよ」と眉をひそめた。




そう、この時までの俺は浮かれていた。



そのことに気づいたのは、その日の放課後のことだった…。




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