お兄ちゃん系男子は我慢の限界。




「な、夏海?」


「何?」


「…なんか怒ってる?」


「…別に?私がお兄ちゃんに怒る理由なんて何もないし!」



夏海はそう言って、フイッと俺から顔を逸らすと、鈴木の腕を取った。



「!?!?」


「行こ、鈴木くん」


「ちょっ…夏海待てよ!」


「ついてこないで、私今から鈴木くんとアイス食べに行くんだから!」




そして夏海は戸惑う鈴木を無理やり引っ張るようにして、校門を出ていってしまった。



…おい!?!?



「はいストップー」



慌てて後を追おうとしたところ、結衣に思い切りブレザーの裾を引っ張られた。



「何だよ!?」


「あんまり追っかけ過ぎても逆効果かもよ?押してダメなら引いてみろって言うじゃん?」


「あっアイスだぞ!?そんなこと言ってるうちに夏海は鈴木とアイスを…!!」


「そうだねぇ、じゃぁとりあえず翼は私とカラオケ行こっか?」



「はぁ!?そんな暇は…」



「はい決定♪let's go!」




俺の抵抗虚しく、バカ力の結衣に引きずられ俺は無理やりカラオケへ連行された。



アイスって…アイスって…



鈴木のバカヤローッ!!




< 18 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop