お兄ちゃん系男子は我慢の限界。
「な、夏海?」
「何?」
「…なんか怒ってる?」
「…別に?私がお兄ちゃんに怒る理由なんて何もないし!」
夏海はそう言って、フイッと俺から顔を逸らすと、鈴木の腕を取った。
「!?!?」
「行こ、鈴木くん」
「ちょっ…夏海待てよ!」
「ついてこないで、私今から鈴木くんとアイス食べに行くんだから!」
そして夏海は戸惑う鈴木を無理やり引っ張るようにして、校門を出ていってしまった。
…おい!?!?
「はいストップー」
慌てて後を追おうとしたところ、結衣に思い切りブレザーの裾を引っ張られた。
「何だよ!?」
「あんまり追っかけ過ぎても逆効果かもよ?押してダメなら引いてみろって言うじゃん?」
「あっアイスだぞ!?そんなこと言ってるうちに夏海は鈴木とアイスを…!!」
「そうだねぇ、じゃぁとりあえず翼は私とカラオケ行こっか?」
「はぁ!?そんな暇は…」
「はい決定♪let's go!」
俺の抵抗虚しく、バカ力の結衣に引きずられ俺は無理やりカラオケへ連行された。
アイスって…アイスって…
鈴木のバカヤローッ!!