スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】

「SHR終わってきた時、武田に超不機嫌に追い払われたんだけど。とわ、関係してる？」

「……」

「してるね？ その顔。何したの？」

「……何にもしてない」

　何にもしてないもん。

　だって、武田が、あまりにも私の痛い所ばかり突くから……。逃げずにいられなかっただけだ。

　桜庭くんは、くすくす笑って私の頭を撫でた。

「とわ。土曜日、ごめんね」

　土曜日、と私の心は一気に硬化した。

「……なんで、謝るの？」

　私は俯いたまま、桜庭くんに温度の無い声で言う。

「なんでって……」

「桜庭くんが謝る必要無いでしょ。私が、桜庭くんに何も言わないで観に行ったから、彼女さんとかち合っちゃっただけでしょ？ だから……」

「彼女じゃない」

　私が、この休んだ三日の間に自分を立て直すために必死で取り繕った理由を、ぴしゃりと桜庭くんは、否定した。